翼の折れた天使...
夏のある日、電話が鳴って、
あわてて走って受話器を取った。
「もしもし...」同時にガチャーーーン!!と音がして、
電話の側にあった陶器の人形が床に落ちた。
裏にJapanの文字が入ったアンティーク人形は、かなり気に入っていたもの。
電話は友達からで、
ちょっと悲しい報告だった。
うんうんと聞きながら、床に落ちた陶器の破片を見つめた。
人形は、見事に背中の翼だけが割れていた。
割れてしまった天使の翼と、受話器の向うの彼女の声。
辛い時期を耐えている事が、しんしんと伝わる言葉。
厳密に言うとこれは天使ではなく、ティンカーベル系の妖精だけど...。
絶対にあの瞬間に翼が割れてはだめなのに...。
電話を切った後、床に散った翼の破片を一粒残らずかき集めた。
割れたものは、元に戻せばいいだけ。
”あきらめない”、私がそう決めた。
接着剤で張り付けて、必ず翼は元通りにするから...。
ほらね!
あれから何度も新月が過ぎて、
新しい年が明けて、
友達は苦しい時を経て、生まれ変わったように元気になった。
ほらね!
翼の欠片のぎざぎざの継ぎ目は、遠目にはほとんど分らない。
心の奥底は見えないものなんだ、他人には。
私も何度でも蘇る翼を持っている。
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コメント
なんてかわいい陶器の天使。
かなり古いのではありませんか。
あるできごとがタイミングの重なりで起こると、自分で災いのように解釈してしまうことがありますが、こんなふうに災いの矢印を曲げてしまえばいいのですよね。
↑Rちゃん、うらやましいです。
新書を扱う本屋さんではこれほどのものは集まらない。
わたしがいただいたって、狂喜するでしょう。
こどものころ、”マッチ売りの少女”に何度も泣きました。
投稿: もめん | 2009年1月10日 (土) 10時16分
*もめんさんへ
陶器の人形、古そうですよ。日本製のチャイナがアメリカなどへどんどん輸出されていた頃のものかもと思っています。
日本製を真似た中国製?という可能性も疑ってるけど...。
流石に翼だけポキンと割れちゃうと、何かの因縁?などと思ってしまいました。幸い、友達は元気になって良かった。人間は強いって思いましたよ。
投稿: 林檎 | 2009年1月10日 (土) 23時27分
林檎さん
さきほどは、私の拙ブログを訪れてくださってコメントをいただきまして、ありがとうございました。
早速遊びに来させていただきました。
最新のエントリーのRちゃんコレクション、素敵ですね。こんな風に、遠くにいらっしゃるRちゃんを想いながら収集しておられる、お気持ちに感動しました。
そして、このエントリーの翼のエピソードにも。。。
私も、10年以上前に夫に贈ってもらった天使の翼(左がわ)が壊れてしまったのを、今でも大事にしています。物は壊れても、人の思いは、永遠ですよね。
あのとき壊れた翼は、元通りにならなくても、どうにかくっついて、未来に向かって歩きはじめてくれて、いまだに、私のダイニングルームの食器棚の中で、他のたいそう立派なお皿といっしょに並んでいます。
高価なお皿と比べ物にならないほどの思い入れのある陶器の天使は、これからも、私のためにこれを選んでくれた大切な人の思いといっしょに、ずっと私を見つめ続けてくれるのでしょう。
あきらめない、ということは、大切なことだと思います。
苦しい時期は、乗り越えられることもある、ということを信じて、一歩ずつ、前に向かって生きていきたいですね。
今日は、素敵なエピソードを分かち合ってくださってありがとうございました。
これからも、どうぞよろしくお願いいたしますね。
投稿: メギー | 2009年1月11日 (日) 06時20分
*メギーさん
さっそく訪問して頂き、暖かいコメントまでありがとうございます。
メギーさんも同じようなエピソードをお持ちだということでびっくりしました。
天使の翼って壊れやすいんでしょうか。苦笑)落とすと一番に割れちゃいますよね。でも翼のおかげで、他の部分が割れずに済んだのかも...なんて今は思ってます。本体が割れちゃうと修復するのも大変ですし。
”人間はけっこう強い”と思ったエピソードです。簡単にぽっきりとは行きません。
またブログ、じっくり読みに伺いますね。
これからもよろしくお願いします。
投稿: 林檎 | 2009年1月11日 (日) 22時38分