books

2009年10月20日 (火)

アラビアンナイト

Tales from the Arabian Nights』 SIR RICHARD BURTON訳

Dsc01408_2

ビタミン色の小さな本。
アメリカのポケットブックスから1959年に出版されたもの。

アラブよりどちらかというとプロバンス風な模様と色使いがとても可愛い本なのだが、内容はなかなか凄い...汗)
エロチックで、ファンタジーっぽくて、エレガントとも言えるし、怖くもあり、
自分の理解の範疇を超えた世界をひとくくりに出来る便利な言葉、やっぱり”エキゾチック”が、ぴったりくるかも。
こ、これってもちろんフィクションだよね?と思わず確認してしまったけれど、そんな事は大して重要ではないのかもしれない。

アラビアンナイトが初めて西洋に紹介されたのは、今から300年前で、
Antoine Gallandというフランス人の学者が翻訳したのが始まり。
当時の西洋世界は、この本をさぞスキャンダラスと驚きをもって受け止めたのだろう。知らない世界だから余計に空想が膨らんだりなんかして...

このサー・リチャード・バートン版は、西洋からみた中東へのファンタジーをより強調するような脚色の強い翻訳だそう。

Dsc01407_2


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月14日 (水)

太宰治って...

長らく楽しい読書をしていなかった。
読書量はかなりのものだったと思うけれど、必要に迫られて読む本が多かったかもしれない。
これもそんな本のうちの一つ。
時代背景などがこちらのニーズに合っていたので、本棚の奥から出して来て読み出したのが、今年の始め頃。

「ヴィヨンの妻」太宰治

Dsc01374

太宰治はどちらかというと苦手なタイプの作家だった。それは今も変わらない。
私小説的なスタイルがあまり好きではなかった。
「斜陽」は好きだったけれど。
太宰の書く物って何処にもココにも太宰本人を感じてしまう。
作家が書いているのだから小説に作家自身の存在を感じるのは当たり前なのだけれど。そして彼が書く男性登場人物にちっとも共感出来ないというのもあった。
彼を巡る世界の狭さに息苦しさを感じた。

でも今回読んでみて、ちょっと見方が変わった。
本から捕まえたと思っていた太宰治像が、実はかなり幻想で、本当の作家は自意識を超えたもっとずっと高みにいたということを知る瞬間があったから。
私小説というスタイルに偏見があったけれど、思い込んでいた以上に奥深くて、抽象化度はかなりのものなのだということが理解出来て、少し苦手意識が減った。

そういえば映画のロードショーも始まりましたね。
根岸吉太郎監督の『ヴィヨンの妻』

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年8月12日 (水)

古書のお手入れ

久々にカラリと晴れた日。
最近手に入れたお宝本を、バルコニーで陰干しした。

Dsc00410

いつも古い本を手に入れたらまず最初にやることは、外気による消毒。
これらの本は百年近くたっているので、長らく埃、虫、湿気、その他色々なあまり嬉しく無いものの住処になっていたことは確実。

まず外側の埃をそっと払って、中身も一頁ずつ点検し、外気を入れて行く。

この本の場合は、本の間に挟まった猫ちゃんの毛が出てくる、出てくる......。

そういうのを気持ち悪がる人はいるんだろう。私は平気だけど。
逆にその本を愛読していた人の気配が感じられるもの、本人のサインや書き付けなんかを見付けると、ドキドキしたりする。

Old00416

直射日光は当てない方が良い。
これ以上、黄ばみを酷くしたくないし、デリケートな色が褪せるのは避けたい。
紙だって、もう粉みたいに崩れてしまいそうにもろい状態。

博物館のガラスケースに収まるべき本ばかり。
頁をめくるたびに、埃をかぶって眠っていた過去がもわもわと立ち上がってくるかのようだ。

Dsc00425

陰干しが終わったら、破れた箇所などの修復に入る。
これがまた楽しい作業...



 



| | コメント (6) | トラックバック (0)

2009年7月27日 (月)

ハイジ〜〜!

アルプスの少女と言えばハイジ。
初めてスイスの山に登った時、思わずハイジやペーターの姿を探したっけ。
ハイジっててっきり原作は絵本だと思っていたのだけれど、れっきとした文学だったということを初めて知った。もちろんこれは児童文学なのだけれど、アニメで何話にもなるくらいだから、けっこう分厚い本なのだ。

「Heidi / Johanna Spyri」1963年、New YorkのGrosset & Dunlapが出した英訳版。

Dsc09808 Dsc09810

紫が基調になった素敵な装丁。
オンジのベストも紫色。

アニメのイメージが強烈なのだけれど、この本のハイジは人間の女の子らしいハイジ。
しかし孤児の女の子が引き起こす奇跡ってパターン、児童文学に多いなあ。

Dsc09811

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年7月 9日 (木)

旅心

地図を見てると旅心が刺激される。
そして昔の地図を見ると、国境とか国の名前が変わっている事に驚く。

こちらミラノのLa Consociazione Turistica Italianaで発行されたイタリアの地図を一冊の本にしたもの。(イタリア観光協会ってことかな?)

「ATLANTE D'ITALIA AL 500.000(1939年)」
イタリア地図50万分の1縮小版

Dsc09738

しっかりした布張りの装丁で、本を開いて見開きを開けると地図が現れる。
ぱっと開くと、ユーゴスラビアに近い海沿いの都市、Trieste(トリエステ)のページが出た。
おっと、ユーゴって今では無くなってしまったのだった...。

何せ1939年のものなので、今では消えてしまった道や村が他にもあるんだろうな。
でも車でイタリア横断みたいなワイルドな旅のお伴にはぴったり。

Dsc09742

古い地図って額に入れて壁に飾っても素敵なので、つい手が出てしまう。



| | コメント (4) | トラックバック (0)

2009年6月20日 (土)

キューピットの愛の暦

書いてて恥ずかしいようなタイトルですが(苦笑
「Cupid's Almanack」という小さな本。
1956年にニューヨークのThe Peter Pauper Pressより発行。
とにかくこのヴィジュアルが可愛いと思った。

Dsc09629

和風な深い緑色と朱肉みたいなオレンジ色のハートが描かれた装丁。
ちょっと千代紙のような質感に、愛の矢を手にしたキューピーが飛びかってます。

Dsc09628_2 Dsc09627_2

中身は月ごとに世界中のLOVEに関する格言や偉人の言葉が集められている。
例えば1月の初っ端は、ロッシュフーコーのこの言葉。

Love is difficult to define: but we can say that in the soul it is a wish to rule; in the mind it is an act of sympathy; and in the body it is a desire, unrealized and sensitive, to shroud in mystery and to possess the thing we love.

愛とは身体と魂、心がそれぞれ違った作用をしながら感じるもの....etとめちゃくちゃ意訳だけど?!

フィフティーズの時代に母からティーンエージャーの娘に贈る本だったのかな。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月18日 (月)

けっこう鉄子

なぜか昔から鉄が好きなもので、鉄柱とか鉄橋とか大好き。
もちろん鉄道も好きだったりする。

Ringobooks08542

これは表紙がいいなー。
新幹線の昭和な感じに懐かしさを覚えて、つい買ってしまった古本。
「MODERN TRAINS」(1985年版)
第二次世界大戦が終わった1945年から現在までの世界のLocomotives(機関車)を紹介した図鑑です。現在までとは言っても、1985年の出版ですが。.
ところでひかり号ってこんなに可愛い顔をしていたとは。
白とブルーが爽やかでデザイン的にも素敵な電車だったのですね。

Dsc08946 Dsc08947

Dsc08944 

まるでオモチャのような世界の機関車達。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年3月 1日 (日)

スティーブン・キング編集

スティーブン・キング は小説読むより映画化された作品の方を見る機会が多い。「ショーシャンクの空に」「スタンドバイミー」「シャイニング」「キャリー」など...映画としてもとても良かった。それにしても映画化された小説の数がすごい。

ところでStephenて英語だとスティーブンって発音するんですね。調べてびっくり。スティーブンとステファンの両方で呼んでました。恥)

図書館で借りて読み始めたスティーブン・キング編集の短編集。
「The BEST AMERICAN SHORT STORIES 2007」(スティーブン・キングが選ぶアメリカのベストショートストーリー集)

Stephen_king_ringobooks08269

この本ではスティーブン・キングはあくまで編集者で、現代アメリカの様々な作家の短編を集めている。
短編って当たり前だが一作の長さが短いので読みやすい。中から面白そうな作品だけ選んで読む事も出来る。
スティーブン・キングは適度に通俗的で、映像的で、でもちゃんと本質は逃さない作家だと思う。そういうキングが選んだのなら、大体、どんな作品が集められているのか想像が付く。期待大。

話代わって昨日は、久々に外食。
友達とランチしたタイ料理。

Dsc08262 Dsc08263

頼んだのは鴨と茄子の炒め物みたいなもの。
一見、炒めるだけで簡単そうだけど、色々なスパイスが入った複雑な味は、家庭での再現は難しそう。
すごいボリュームで、午後は意識もうろう(笑、身体が動かなかった。(食べ過ぎです)

レストランの周囲はIT関係やデザイン事務所なんかが多い地域。
耳をすまさなくても(皆さん、声が大きいので)、経済の動向、オバマ政権の事、神について...なんて会話が周囲のテーブルから聞こえて来て、聞いているだけで面白かった。

Ringobooks08266

ああ、もう2月が終わってしまうなんて...。

| | コメント (5) | トラックバック (1)

2009年2月20日 (金)

ルオーについて

ジョルジュ・ルオー(1871年〜1958年)という画家を初めて知ったのは堀田善衛氏の本で。その後、パリで、南仏で、スペインで、ニューヨークで、鎌倉の美術館で、世界の色々な場所で、ルオーの絵に出会う度に、どんどん好きになった。

Rouault

この人はピカソに似て多作なのだけれど、ピカソみたいに作品がどんどん変革してゆくのとは対照的。職人気質で、執拗に同じ場所に留まって自分の作風を守り、果てしなく内に向かって行くような、とても頑固でストイックな画家だった。

その絵や版画は本当に世界の色々な美術館に散らばっている。
初めて訪れる町の美術館で、ピカソやマチスやセザンヌなど印象派の絵が並ぶ壁の隅に、小さなルオーの絵を見付けると、”ああ、いつものルオーだ”と思う。
美術館に行くと、色々な作品に酔ってしまうというか、”精神的迷子”の気分になる事が多いのだけど、この人の絵がそこにあると、道しるべを得たようでほっとするのだ。

ステンドグラス職人だった事もあるルオーの絵は、ステンドグラスに似て太く黒々とした輪郭とその中の鮮やかな色彩が特徴。キリストや宗教的な絵や社会の底辺にいる人々をモチーフにしたものが多く、まあ暗いといえば暗いのですが、その絵の前に立つと、こちらの背筋が伸びるような崇高さがある。(と、言葉にすると何だか軽いけど)
ヨーロッパの教会などで作者不詳の、木彫りのキリスト像なんかを前にした時の気分に似ている。クリスマスを祝ったと思えば、お正月にお宮参りもする、ある意味、おおらかな(軽薄な?)日本人の私が知り得ぬ深い精神性というか何と言うか...。

Ringobooks08137

この小さな画集は、ルオーがまだ生きていた頃(1954年)にニューヨークで出版されたもの。ルオー本人と親交のあった、MOMAのキューレーターが解説文を担当。
かなり黄ばんで来てるけど、ポケット判なので場所を取らず、私の書棚の大切な場所を占めている。

Rouaultringo08139

Dsc08141


| | コメント (4) | トラックバック (0)

2009年2月 7日 (土)

薔薇、いろいろ

薔薇グッズってつい集めてしまう。
昔のmade in Japanのお皿やカップに美しい手描きのバラ。
シュガーポットはポーランドのWawel。

Rose_2

Dsc07966   Wawal_from_poland_2

バラのポプリに、
バラのオードトワレ、(本物の匂いが一番だけど、ヴェレダ のは良いと思う)

そしてバラ本...。

「The Art of Cooking with ROSES / by Jean Gordon」

Cooking_with_rose_2

70年代にニューヨークのインディーズ系出版社から出たバラのクッキング本です。当時の価格は$2ドル65セント。カリグラフィー文字がかわいい。

バラの花びらやローズエッセンスを使ったお菓子作りだけでなく、ポプリや美肌用ローズウオーターやソープ、コールドクリームなどのコスメ系もカバーしていて、なかなか読み応えがある。

中にアメリカで開拓時代にローズヒップの効能が証明されたエピソードが載っていた。

「昔むか〜し、オレゴンを目指して旅していた植民者達が、モンタナの山の中で道に迷ってしまった。一緒に連れていた牛達も月桂樹による食中毒で死亡。食べ物も底を付いて困り果てていた時、誰かがワイルドローズの茂みに鈴なりになっている真っ赤な実を食べ始めた。植民者達は、救助されるまでの数日間、そのローズヒップを食べ続けて行き伸びたという。
野生のバラのローズヒップには、観賞用に育てられたガーデンローズが持たない大量のビタミンCを含有する...云々かんぬん」

Rosehip

ナチュラルフードストアで買ったワイルド・ローズヒップ。
ペルーのアンデス産で、結構高価だった。

カチカチに乾燥しているので、フキンに包んで、包丁のお尻で叩き割ってから、お茶にするのですが、5分くらいお鍋で煮出さないと味が出ない。
こんな方法でちゃんとビタミンCがとれるのか定かではないけど、気分としてはヘルシー。
お酒に漬け込んで、ローズヒップワインなんかも作れそうだ。

Ringobooks07971_2

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年2月 2日 (月)

冬のメロディ

時々、ピアノを弾きます。(下手です、念のため)
次々に新しい曲を試したいので、楽譜だけは、たくさん持っている。

最近、よく弾いている3冊。
寒くて外出もままならない冬の日にぴったりの、アルペジオベースの軽やかな曲ばかり。

Dsc07862 Dsc07869

フォーレのピアノ曲集とバッハの「インベンション&シンフォニア」。
映画「アメリ」のサウンドトラック。

フォーレ といえば「レクイエム」。このピアノ曲集にはレクイエムから数曲、「イスファハーンの薔薇」「月の光」などの歌曲、組曲から「Sicilienne」など名曲ばかり入っている。

映画「アメリ」のサウンドトラックは、ほんとに良い曲ばかり。
繊細で、ちょっと切なくて、小さな希望がキラキラ光っているような。
弾いていると窓の外の曇った冬の空が、パリの空に繋がっているように思えて来る。

バッハの「インベンション&シンフォニア」はアンティークショップで見付けた古い楽譜で、Ludwig Landshoff編集による1933年版。こちらも私の中では冬のイメージ。
それも雲に覆われた、光の射さない雪の日。
決してブリザードなどではなく、静かにリズム良く雪が舞っている感じ。
多分、グレン・グールドがトロントの自宅でピアノを弾いている姿が、自動的に思い浮かんでしまうせい。

こんな風に軽やかに弾けるようになりたいものです。
↓クリックでグレン・グールドのピアノにトリップします。


ところで、もう2月ですね〜〜(ため息)

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2009年1月25日 (日)

フランソワーズ・サガン「悲しみよ こんにちは」(1954年)

サガンの「悲しみよ こんにちは」を読み返しています。

Paris_le_ciel_ringobooks

初めて読んだのは18歳の時。
朝吹登水子さんの訳で。
サガンがこの本を書いたのも、彼女が18歳の時。

18歳が書いたとは思えない華麗な文章にまずびっくりでした。
主人公は、父を巡り、父の恋人である大人の女に対抗心を燃やす17歳のセシル。
子供と”女”が同居した危うさは、一体どこの17歳?って感じ。

フランスで「Bonjour tristesse」Francoise Saganの初版が出たのは、1954年。

ringobooks bonjour tristesse 1st edition bonjour tristesse ringobooks

フランス国内でこの年、50万部売れたそうで、
実際はこの年だけで100万部近く刷られているのでしょう。

そのなかの一冊です。


Ringobooks bonjour tristesse2 ringobooks bonjour tristesse3 

かなりボロボロ...。
刷っても刷っても売れちゃうので、大急ぎで増版したのかな。
幅が揃ってないし、端がちゃんとカットされないまま。

wikiによると、日本では、翌年、朝吹登水子さんの訳で新潮文庫から出版され、ミリオンセラーとなる。400万部は、今でも新潮社の歴代売り上げ8位ですって。すごい。
この本のおかげでフランスに憧れを抱いた人は多いはず。
私もそうでした。
いつか原書で読みたいと、フランス語の勉強にも身が入りました。

サガンの映画が今夏、日本で公開されるみたいです。

悲しみよ こんにちは (音が出るので気を付けて)

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2009年1月21日 (水)

美しい本

古書の中でも長く版を重ねている本の、初版には不可価値が付く。

『GHASTLY GOOD TASTE or a depressing story of the RISE AND FALL of ENGLISH ARCHITECTURE/by John Betjeman』 (1933)
何て長いタイトル...。

John_betjeman

ヴィクトリアン建築などをこよなく愛する筆者が、ロンドンの街にはびこり出したモダン建築を憂ったエッセイ本で、1933年にLondon Chapman & Hall Ltd.より刊行。
時代は1925年のパリ万博でアール・デコ (Arts Décoratifs)が登場した後。

長く版を重ねている名著の初版として、この本には値打ちがあるのだけれど、それだけではない。
ピンクにパープルグレーの美しい壮丁にスタイリッシュなタイポグラフィーが並ぶ表紙..。建築に関する本らしく、シンプルで美しいデザインだと思う。

Ghastly_good_taste John_betjeman_2

著者サー・ジョン・ベッジャマン(1906-1986)は、詩人で評論家で建築愛好家で人気TVコメンテーター...ってすごい肩書きだ。
おまけにこの人の名前を冠するイングリッシュローズまで存在する。
ロンドンのセントパンクラス駅には、古い駅舎の取り壊しを阻止するために奔走したこの人の銅像まで建っているという。(写真はwikiより)

800pxjohn_betjeman_statue

現代にはあまり存在しないタイプのマルチタレント、本当のインテリだったのね。
何となく肩書きからしてゲーテ みたいな人を思い浮かべた。

Dsc07462

本の最後には、イギリスの建築の変換が描かれたPeter Fleetwood Heskethのイラストの付録が付いている。これも額に入れて飾りたくなるような素敵なもの。

このイラストの一番最後はやはりアール・デコ建築。
”シンプルをはき違えたデザイン”とベッジャマン卿はアール・デコ建築をバッサリ

古く美しい建築を取り壊すのは大反対だけど、実は私、アール・デコ建築が死ぬ程好き。確かにロンドンやパリの街をアール・デコ建築が席巻する様子は想像できないし、そうならなくて良かった。
ヨーロッパで定着しなかったアール・デコは、アメリカで花開く。

以後、アメリカの時代がやって来ます。

***

オバマ大統領のスピーチを生で聴きながら...。
I am humble..., grateful...and mindful...か...
カナダでもオバマ大統領への支持は絶大。
大統領として最初の海外訪問はカナダの予定と聞いている。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2009年1月10日 (土)

Rちゃんセット

東京に住む弟夫婦の子供R(男児)が1歳になりました。ちょっと早いけど、もう少し大きくなって物心がついて、文字や色に興味を示し始めた頃に書棚に並んでいて欲しいと思う本を、今から集め始めています。

個人的にグリム童話は外せないです。そして男の子なので、もう少し大きくなった時のために「アーサー王伝説」も。

Dsc07277_2

私が本好きなのは、実家の書棚にたくさん本があって、それがいつでも自由にどうぞと、子供の私に解放されていたせい。あれ読めこれ読めと親に急かされた記憶は無く(本当はうまく誘導されていたのかも..)、ただ読みたいと思った時に、”そこに本があったから”読んでいた。文字が読めない時は、絵を眺めて空想し、字が読めるようになってからは、勝手に本棚から世界名作童話なんかを抜き出して、一人で何時間でも読んでました。

自分でもしっかり記憶にあるのです。はじめてそれぞれの物語を読んだ時の事、その時に漠然と思った事も...。

初めて「ニルスの不思議な旅」を読んだ時の、世界の大きさや時間に対する驚愕。
オスカーワイルドの「幸福な王子」 「を読んだ時の、何かとても尊くて美しいものに触れたという気持ち。「白雪姫」を読んだ時のカタルシス。
「マッチ売りの少女」を読んだ時は、死ぬってどういう事だろうと。

そういうものって大人になっても褪せる事はありません。

Dsc07278_2_2

名付けて「Rちゃんセット」、大分集まって来ました。

Dsc07263

Dsc07266

ディズニーは色がはっきりしているので、まず子供の目に訴えそう。60年に出たヴィンテージ本です。
すべて英語ですが、Rちゃんのママは英語が話せるので、日本語といっしょにアルファベットも自然に馴染める環境を作りたいのだそうです。

 


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月 6日 (火)

「The Stray」 illustrated by James Wyeth (1979年)

ジェイミー・ワイエスのお父さんは、あのアンドリュー・ワイエス
「The Stray」はジェイミー・ワイエスがイラストを、物語はジェイミーのお母さんのベッツイー・ジェイムズ・ワイエスが書いています。

The_stray

アンドリュー・ワイエスの絵を最初に見たのはいつだったでしょうか。
あまりにも好きなもので、こんな風に息子さんの絵と絡めて名前を出すのは忍びないくらいです。とにかく芸術一家ですね、ワイエス家。一家全員が絵筆を持つ人達だったとか。

息子さんのジェイミーは、豚の絵で一躍有名になった人。

「The Stray」でもpig達がいっぱい登場。

なんかどこかで見た事があるような豚が...。

Dsc06802

Dsc06797_2

Dsc06806

表紙のようなカラーより、モノクロのイラストの方がよりファンタジーの世界に誘われる気がします。

ストロークが繊細でとっても饒舌なのです。

Dsc06808

Dsc07237


THE STRAY / a story by Betsy James Wyeth
                     drawings by Jamie Wyeth
                     published by McGraw-Hill Ryerson Ltd., Toronto

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年12月15日 (月)

「ファントム/スーザン・ケイ」(扶桑社)

今年も色々な本を読んだけど、一番はまったのがこの本でした。
「Phantom」/ Suzan Kay著

516q8wsevvl_sl500_aa240_

「オペラ座の怪人」のガストン・ルルが書かなかったエリックの誕生からオペラ座に住み着くまでの話を詳しく書いた本です。
悲劇の中で生まれ、旅から旅への生活は暴力、殺人、裏切り、人身売買、薬物、拷問...もう世の中に存在する、ありとあらゆる”悪”に彩られ、でも善悪、美醜を超えた不思議な魅力を増しながら、人を超えた特別な存在となってゆくエリックの青春を、とてつもなく美しく、悲しく、憧憬を持って描いているお話。イメージの豊かさ、一人の人間の想像力の巨大さに圧倒され、もうエリックが実際に生きているとしか思えない精神状態に持って行かれちゃったすごい小説でした。

ガストン・ルルはジャーナリストだったそうで、徹底した取材によって「オペラ座の怪人」の話の細部を構築し、リアリティを与えたそうですが、この「ファントム」のスーザン・カイもかなりのものでした、ふ〜。(ため息)

「オペラ座の怪人」は昔、深夜にTV映画を観て感動。ミュージカルはまだ観てません。

日本語訳は扶桑社から「ファントム」上下が出ているようなので、アマゾンのリンクを貼付けておきます。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年12月 6日 (土)

ノーマン・ロックウェルの絵本

Norman

Dsc06558

大好きなアメリカの画家の一人にノーマン・ロックウェルがいます。

ニューヨーク生まれ。
1894年〜1978年と、まさに私が最も興味を持っている時代と場所を生きた画家。
彼の絵は、庶民に向けた眼差しがとても優しく、普通の人々の表情が生き生きと描かれているのが特徴です。

そのロックウェルが人生で唯一、イラストを提供した絵本が、この奥さんのモーリーさん著

「WILLY WAS DIFFERENT - The Tale of an Ugly Thrushling」(1969年)です。

続きを読む "ノーマン・ロックウェルの絵本"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月22日 (土)

カズオ・イシグロ「never let me go」

今年読んだ本の中で、衝撃だった一冊です。
カズオ・イシグロのNever Let Me Go

51VEG377DKL._SL500_AA240_.jpg

日本生まれ、ロンドン育ち。 英語で本を書いてブッカー賞(映画にもなった「日の名残り」で)など取っている人。

ちょっとネタバレかも? 冒頭からcarerというよく分からない単語が出て来て何となく違和感。舞台は全寮制の学園で、生徒達の日々が淡々と語られて行くのですが、微妙に違和感のある事実がそこここに仕掛けられている。これは何か違うと分る。閉ざされた世界で、そこだけで通用するような独特の事柄や観念があって、あまり喜ばしくない、どちらかというと破滅に近いものが待っている予感を静かにひしひしと感じさせる書き方なので、けっこう苦しい読書。それでも読み進められたのは、一つの完璧に構築された世界の全体像を見たいがため。 そのうち、少しずつ事情が明らかになって来る。最初の”喪失”が唐突にやって来て、それさえ静かな水の流れのように淡々と過ぎ去る様を前にして、私はマジで吐きそうになってしまった。酷い真実。でもそれをそれとして抗う事無く受け入れて生きている登場人物達の生き様が、あまりに不条理に思えて悲しい。胸の奥に錘りを仕掛けられたかのように、しばらく立ち直れなかった。スタイリッシュと言われているイシグロをちょっとだけ呪いたくなった。でも素晴らしい書き手であることは間違いないです。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年11月20日 (木)

祖父のドイツ語辞書

私の書棚の中で一番古い本は、多分、この祖父のドイツ語辞書。
大正14年(1926年)発行です。82年の年月が詰め込まれています。

DSC06293.jpg

祖父は、私が生まれる前に戦争で亡くなっているので写真でしか知りません。 外科医だったので、家には大学時代やインターン時代の病院での写真がたくさんありました。白衣を着た若き祖父の人体解剖実習の写真なんかもあって、幼い頃、アルバムをめくりながら恐怖しつつも、どんな人だったんだろうと想像を巡らしました。 この使い込まれた辞書が私にとっては唯一の形見で、祖父が生きていた事を伝えてくれるもの。 書棚にあるだけで、何となく守られているような気がしまて安心します。

DSC06282.jpg

もし祖父が生きていたら、どんな話をしてくれたのでしょうか。時々そんなことを考えます。

| | コメント (2) | トラックバック (0)