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2009年11月26日 (木)

TACHENのAalto

TACHEN(タッシェン)は、アート本で有名なドイツの出版社。
TACHENが出しているAlvar Aalto本を読んでいる。
自分のものだったら喜ぶけど、残念ながら図書館で借りた。

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Alvar Aalto (1898年〜1976年)はフィンランド生まれの偉大な建築家、デザイナー。
この人の名前からしてデザインみたい。

時々、どこの時代に生まれたら面白いかなどとくだらない空想をしてみることがあるのだけれど、世紀末に生まれて80年代を前に没するというこの人の生涯は、まさに私の大好きな激動の時代を丸まるカバーしている。
ざっくり書いてしまうと、二つの世界大戦、ヴィクトリアンからアールヌーボー、アールデコ、モダンアート、ファッションの時代、写真、映画、ポップアート、サブカルチャー、フラワーチルドレン、etc. ドラマチックで波瀾万丈で新しい物を生み出すエネルギーに満ち満ちていた時。生き抜くにはさぞ大変だっただろうけれど、こんなに生き甲斐があって面白い時代は無かったんじゃないかって思ってしまう。
それに比べて今の時代ってちょっと退屈?! 先人たちの残した遺産を食いつぶしたり、リバイバルさせながら、あとはゆっくりと衰退するばかりで、何も新しく生み出すものなんて残っていないような気が時々するのだが、これって平和にあぐらをかいた思い上がりなのだろうか。それともこれからとんでもない変革が訪れたりして?今の時代も振り返れば面白い時代だったと言えるようになるのかな...。こういうペシミストで、へたれな思考こそ”現在(いま)”的なのかもしれない。

アールトより前の世代の建築家フランク・ロイド・ライトは1867年〜1959年。
ル・コルビュジェは1987年〜1965年
ピカソは1881年〜1973年。
大好きなヘミングウエイも1899年〜1961年。
ジャン・コクトー、ジェームス・ジョイス、ホアン・ミロ、ストラヴィンスキー、
と、世紀末生まれを探しているうちに何か、眉間に皺が寄って来そうなのでやめておくとして...

Alvar Aalto...良いなあ

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北欧と気候とか自然が似ているカナダにもぴったりくる住宅や家具の色、雰囲気、デザイン。建物の内部と外部が断絶していない感じがして良い。

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2009年10月20日 (火)

アラビアンナイト

Tales from the Arabian Nights』 SIR RICHARD BURTON訳

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ビタミン色の小さな本。
アメリカのポケットブックスから1959年に出版されたもの。

アラブよりどちらかというとプロバンス風な模様と色使いがとても可愛い本なのだが、内容はなかなか凄い...汗)
エロチックで、ファンタジーっぽくて、エレガントとも言えるし、怖くもあり、
自分の理解の範疇を超えた世界をひとくくりに出来る便利な言葉、やっぱり”エキゾチック”が、ぴったりくるかも。
こ、これってもちろんフィクションだよね?と思わず確認してしまったけれど、そんな事は大して重要ではないのかもしれない。

アラビアンナイトが初めて西洋に紹介されたのは、今から300年前で、
Antoine Gallandというフランス人の学者が翻訳したのが始まり。
当時の西洋世界は、この本をさぞスキャンダラスと驚きをもって受け止めたのだろう。知らない世界だから余計に空想が膨らんだりなんかして...

このサー・リチャード・バートン版は、西洋からみた中東へのファンタジーをより強調するような脚色の強い翻訳だそう。

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2009年10月14日 (水)

太宰治って...

長らく楽しい読書をしていなかった。
読書量はかなりのものだったと思うけれど、必要に迫られて読む本が多かったかもしれない。
これもそんな本のうちの一つ。
時代背景などがこちらのニーズに合っていたので、本棚の奥から出して来て読み出したのが、今年の始め頃。

「ヴィヨンの妻」太宰治

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太宰治はどちらかというと苦手なタイプの作家だった。それは今も変わらない。
私小説的なスタイルがあまり好きではなかった。
「斜陽」は好きだったけれど。
太宰の書く物って何処にもココにも太宰本人を感じてしまう。
作家が書いているのだから小説に作家自身の存在を感じるのは当たり前なのだけれど。そして彼が書く男性登場人物にちっとも共感出来ないというのもあった。
彼を巡る世界の狭さに息苦しさを感じた。

でも今回読んでみて、ちょっと見方が変わった。
本から捕まえたと思っていた太宰治像が、実はかなり幻想で、本当の作家は自意識を超えたもっとずっと高みにいたということを知る瞬間があったから。
私小説というスタイルに偏見があったけれど、思い込んでいた以上に奥深くて、抽象化度はかなりのものなのだということが理解出来て、少し苦手意識が減った。

そういえば映画のロードショーも始まりましたね。
根岸吉太郎監督の『ヴィヨンの妻』

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2009年8月12日 (水)

古書のお手入れ

久々にカラリと晴れた日。
最近手に入れたお宝本を、バルコニーで陰干しした。

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いつも古い本を手に入れたらまず最初にやることは、外気による消毒。
これらの本は百年近くたっているので、長らく埃、虫、湿気、その他色々なあまり嬉しく無いものの住処になっていたことは確実。

まず外側の埃をそっと払って、中身も一頁ずつ点検し、外気を入れて行く。

この本の場合は、本の間に挟まった猫ちゃんの毛が出てくる、出てくる......。

そういうのを気持ち悪がる人はいるんだろう。私は平気だけど。
逆にその本を愛読していた人の気配が感じられるもの、本人のサインや書き付けなんかを見付けると、ドキドキしたりする。

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直射日光は当てない方が良い。
これ以上、黄ばみを酷くしたくないし、デリケートな色が褪せるのは避けたい。
紙だって、もう粉みたいに崩れてしまいそうにもろい状態。

博物館のガラスケースに収まるべき本ばかり。
頁をめくるたびに、埃をかぶって眠っていた過去がもわもわと立ち上がってくるかのようだ。

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陰干しが終わったら、破れた箇所などの修復に入る。
これがまた楽しい作業...



 



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2009年7月27日 (月)

ハイジ〜〜!

アルプスの少女と言えばハイジ。
初めてスイスの山に登った時、思わずハイジやペーターの姿を探したっけ。
ハイジっててっきり原作は絵本だと思っていたのだけれど、れっきとした文学だったということを初めて知った。もちろんこれは児童文学なのだけれど、アニメで何話にもなるくらいだから、けっこう分厚い本なのだ。

「Heidi / Johanna Spyri」1963年、New YorkのGrosset & Dunlapが出した英訳版。

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紫が基調になった素敵な装丁。
オンジのベストも紫色。

アニメのイメージが強烈なのだけれど、この本のハイジは人間の女の子らしいハイジ。
しかし孤児の女の子が引き起こす奇跡ってパターン、児童文学に多いなあ。

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2009年7月 9日 (木)

旅心

地図を見てると旅心が刺激される。
そして昔の地図を見ると、国境とか国の名前が変わっている事に驚く。

こちらミラノのLa Consociazione Turistica Italianaで発行されたイタリアの地図を一冊の本にしたもの。(イタリア観光協会ってことかな?)

「ATLANTE D'ITALIA AL 500.000(1939年)」
イタリア地図50万分の1縮小版

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しっかりした布張りの装丁で、本を開いて見開きを開けると地図が現れる。
ぱっと開くと、ユーゴスラビアに近い海沿いの都市、Trieste(トリエステ)のページが出た。
おっと、ユーゴって今では無くなってしまったのだった...。

何せ1939年のものなので、今では消えてしまった道や村が他にもあるんだろうな。
でも車でイタリア横断みたいなワイルドな旅のお伴にはぴったり。

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古い地図って額に入れて壁に飾っても素敵なので、つい手が出てしまう。



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2009年6月20日 (土)

キューピットの愛の暦

書いてて恥ずかしいようなタイトルですが(苦笑
「Cupid's Almanack」という小さな本。
1956年にニューヨークのThe Peter Pauper Pressより発行。
とにかくこのヴィジュアルが可愛いと思った。

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和風な深い緑色と朱肉みたいなオレンジ色のハートが描かれた装丁。
ちょっと千代紙のような質感に、愛の矢を手にしたキューピーが飛びかってます。

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中身は月ごとに世界中のLOVEに関する格言や偉人の言葉が集められている。
例えば1月の初っ端は、ロッシュフーコーのこの言葉。

Love is difficult to define: but we can say that in the soul it is a wish to rule; in the mind it is an act of sympathy; and in the body it is a desire, unrealized and sensitive, to shroud in mystery and to possess the thing we love.

愛とは身体と魂、心がそれぞれ違った作用をしながら感じるもの....etとめちゃくちゃ意訳だけど?!

フィフティーズの時代に母からティーンエージャーの娘に贈る本だったのかな。

 

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2009年5月18日 (月)

けっこう鉄子

なぜか昔から鉄が好きなもので、鉄柱とか鉄橋とか大好き。
もちろん鉄道も好きだったりする。

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これは表紙がいいなー。
新幹線の昭和な感じに懐かしさを覚えて、つい買ってしまった古本。
「MODERN TRAINS」(1985年版)
第二次世界大戦が終わった1945年から現在までの世界のLocomotives(機関車)を紹介した図鑑です。現在までとは言っても、1985年の出版ですが。.
ところでひかり号ってこんなに可愛い顔をしていたとは。
白とブルーが爽やかでデザイン的にも素敵な電車だったのですね。

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まるでオモチャのような世界の機関車達。

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2009年3月 1日 (日)

スティーブン・キング編集

スティーブン・キング は小説読むより映画化された作品の方を見る機会が多い。「ショーシャンクの空に」「スタンドバイミー」「シャイニング」「キャリー」など...映画としてもとても良かった。それにしても映画化された小説の数がすごい。

ところでStephenて英語だとスティーブンって発音するんですね。調べてびっくり。スティーブンとステファンの両方で呼んでました。恥)

図書館で借りて読み始めたスティーブン・キング編集の短編集。
「The BEST AMERICAN SHORT STORIES 2007」(スティーブン・キングが選ぶアメリカのベストショートストーリー集)

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この本ではスティーブン・キングはあくまで編集者で、現代アメリカの様々な作家の短編を集めている。
短編って当たり前だが一作の長さが短いので読みやすい。中から面白そうな作品だけ選んで読む事も出来る。
スティーブン・キングは適度に通俗的で、映像的で、でもちゃんと本質は逃さない作家だと思う。そういうキングが選んだのなら、大体、どんな作品が集められているのか想像が付く。期待大。

話代わって昨日は、久々に外食。
友達とランチしたタイ料理。

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頼んだのは鴨と茄子の炒め物みたいなもの。
一見、炒めるだけで簡単そうだけど、色々なスパイスが入った複雑な味は、家庭での再現は難しそう。
すごいボリュームで、午後は意識もうろう(笑、身体が動かなかった。(食べ過ぎです)

レストランの周囲はIT関係やデザイン事務所なんかが多い地域。
耳をすまさなくても(皆さん、声が大きいので)、経済の動向、オバマ政権の事、神について...なんて会話が周囲のテーブルから聞こえて来て、聞いているだけで面白かった。

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ああ、もう2月が終わってしまうなんて...。

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2009年2月20日 (金)

ルオーについて

ジョルジュ・ルオー(1871年〜1958年)という画家を初めて知ったのは堀田善衛氏の本で。その後、パリで、南仏で、スペインで、ニューヨークで、鎌倉の美術館で、世界の色々な場所で、ルオーの絵に出会う度に、どんどん好きになった。

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この人はピカソに似て多作なのだけれど、ピカソみたいに作品がどんどん変革してゆくのとは対照的。職人気質で、執拗に同じ場所に留まって自分の作風を守り、果てしなく内に向かって行くような、とても頑固でストイックな画家だった。

その絵や版画は本当に世界の色々な美術館に散らばっている。
初めて訪れる町の美術館で、ピカソやマチスやセザンヌなど印象派の絵が並ぶ壁の隅に、小さなルオーの絵を見付けると、”ああ、いつものルオーだ”と思う。
美術館に行くと、色々な作品に酔ってしまうというか、”精神的迷子”の気分になる事が多いのだけど、この人の絵がそこにあると、道しるべを得たようでほっとするのだ。

ステンドグラス職人だった事もあるルオーの絵は、ステンドグラスに似て太く黒々とした輪郭とその中の鮮やかな色彩が特徴。キリストや宗教的な絵や社会の底辺にいる人々をモチーフにしたものが多く、まあ暗いといえば暗いのですが、その絵の前に立つと、こちらの背筋が伸びるような崇高さがある。(と、言葉にすると何だか軽いけど)
ヨーロッパの教会などで作者不詳の、木彫りのキリスト像なんかを前にした時の気分に似ている。クリスマスを祝ったと思えば、お正月にお宮参りもする、ある意味、おおらかな(軽薄な?)日本人の私が知り得ぬ深い精神性というか何と言うか...。

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この小さな画集は、ルオーがまだ生きていた頃(1954年)にニューヨークで出版されたもの。ルオー本人と親交のあった、MOMAのキューレーターが解説文を担当。
かなり黄ばんで来てるけど、ポケット判なので場所を取らず、私の書棚の大切な場所を占めている。

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